五分後の世界

かの村上龍の書いた小説。
私達のいる世界より五分進んだ並列世界の日本に迷い込んだ
主人公が色々頑張る話です。
内容はテロリズムナショナリズムが根幹にあり、
語弊はあるかもしれませんが、右翼の人は特に楽しめるかもしれません。
五分後の世界、と題名にありますが実はあんまり関係ないです。
それよりも並列世界の日本人の気高さが熱い。
少なくとも五分後の世界の日本人って言うのは、
私達の知ってる日本人像とは丁度正反対の民族なのです。
最後のオチが中途半端かもしれない――確かに思いました。
最初は。
そう、最後のオチの中途半端さを理解した時、
私達はこの作品がなぜ氏自身が最高傑作と言ったのかを理解できます。
□ネタバレ感想□(未読の方は見ちゃ駄目よ)
結局小田桐が最後に時計を合わせたのは
あの世界に生きる覚悟と決意をしたからですよね。
熱い、実に熱い。
あの後彼らが生き残れたかは分かりません。小田桐含め満身創痍だし。
それにあの世界で捕まった時の正しい選択は自殺ですからね。
それでも彼らはその瞬間まで生きた事を信じたいです。
そう、生きた事を。

□終了□
貴方の時計は何時何分を指していますか?
追記:どうやってもリンクの色変えられないなぁ――まぁ単語だけだから良いか。